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理系大学院卒のITベンチャー企業の新卒1年目が半年間意識していたこと

仕事はスピードが最も大事

当たり前のことと思われるかもしれませんが、仕事において最も重要なのはスピードだと私は思っています。もちろんスピードそのものが大事なのではなく、スピードを高めることを極限まで意識することで、結果的に仕事の質や量がよくなり生産性がまし、仕事も楽しくなるからです。

この考えに至った経緯や、そのために実践してきたことについてご紹介します。

スピードが大切な3つの理由

仕事の生産性はスピードの指数関数となっている

仕事の多くは一人では完結しません。その場合、仕事のスピードは生産性に指数関数的に影響を与えます。どういうことかメールを例にご説明します。例えば2人でメールのやりとりをして仕事を進めているとします。この時に片方が返信するペースを普段の1/2にしたとします。そうすると、この2人生産性は1/2になります。さらにもう片方の人も1/2のスピードになると最初に比べて全体のスピードは1/4になります。

 

このようにして、関係者が増え、その各人の仕事のスピードが遅いと全体としての生産性は各人のスピードに指数関数的に依存して低くなります。これが組織にとって非常に大きな問題となるのです。 

 

つまり、メールやメッセージのレスが遅い。意思決定が遅い人はそれだけで全体の仕事の生産性を指数関数的に低下させているのです。

スピードがクオリティを高める

中島聡さんの本で「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」という本があります。これは元マイクロソフトのエンジニアである中島さんが仕事が速い人の時間術について非常にわかりやすく解説した本です。結論は簡単で「〆切最後に頑張るラストスパート型」をやめて「期限よりはるかに前で一気にあらかた終わらせるロケットスタート型」になろうというお話しです。

 

ロケットスタート型のいいところは「仕事のやり直しがきく」ところです。

〆切よりはるか前(〆切までの2割程度の時間)であらかたの仕事をしてしまうので、もしやってみた結果大幅な方向転換が必要と分かった際にも何とか対応することが可能です。しかし、ラストスパート型の人はこれに対応できず付け焼き刃のまま提出することになります。

 

仕事が速ければ速いほど、やり直す回数は増やせますし、余剰時間が増えます。後述するようにその余剰時間がさらなる仕事のスピードがアップを生み出します。

 

※中島さんは本の中で「本気で取り組んで2割の時間で8割終わらない仕事は、大体の場合期限に間に合わないので、2割の時間を使った時点で一度上司やその仕事の依頼主に相談すべき」と言っています。これは僕は非常にいい戦略だと思います。また、ここで「図べこべ言わずやれよ」っていわれないためにも前半2割の時間をいかに本気で取り組むかが重要となります。

スピードが速いほど余剰時間がうまれ、その余剰時間がさらなる生産性向上のための時間をうむ

仕事が1/2の速さのひとがいると生産性は指数関数的に低下する。仕事では何らかのアウトプットを出さなければいけません。このアウトプットは下記の式のように因数分解ができます。

 

アウトプット=生産性×時間

 

時間によるアウトプットの改善には限界があります。最低限の睡眠時価を確保する場合、せいぜい2倍くらいの労働時間の延長が限界でしょう。また、後述するスキルを磨く時間やリフレッシュができないので長期的には生産性は低下していきます。

 

逆に時間当たりの生産性は伸ばす価値があります。生産性が伸びる分だけ時間の効果が効いてくるからです。生産性≒スピード(+最低限以上のクオリティ)ですが、生産性も同様に因数分解できます。

 

生産性=スキルセット×社内外人間関係

 

スキルセットは非常にわかりやすく、個人レベルでのスキルそのものです。例えば英語が喋れる・エクセルが使えるなど個人のスキルが高まれば生産性は高まります。加えて社内外人間関係ですが、これは社内外で質問やお願いができる人(信頼残高)がどれくらいあるかという話です。こちらも信頼残高が高ければ、無駄なやりとりはすくなく、より大きな協力を得ることができます。

 

時間の延長によるアウトプットの補填のいけないところはこのスキルの向上や社内外人間関係の構築の時間を圧迫するからです。結果的に時間当たりの生産性を高めることができず、どんどんとジリ貧な状態へと陥ってしまうのです。

時間を言い訳にしないことを決意しよう

何か物事をやるか・やらないかを決めるときに「時間がないから」という言い方をしないことが仕事が速くなる一歩だと僕は思っています。嫌ならやらないでいいのですが、もしやりたいのであればやれる方法や時間の作り方を考えるべきです。その過程で仕事がはやくなり、さらに多くのことができるようになるからです。