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大学不要論について

大学不要論について

 

 

 

 

大学はいるのか、いらないのかについて思うことを書いてみました。

 

 

 

まず大学は研究するところである

 

大前提として大学は勉強するところではなく、研究するところだというのが私の考えです。勉強と研究の違いは勉強は過去の研究について学ぶことなのに対し、研究は誰も知らないことを調べて発表することであるところです。単純に言うと勉強はインプットで研究はアウトプットです。大学の目的は研究です。もちろん研究のための勉強はしますが、勉強はあくまで手段です。

 

 

 

大学は必要。大学が不要なのではなく、大学が不要なのに大学に行くのが問題。

 

私は大学自体は(大学でなくてもいいが、大学のように研究をする人や組織は)必要だと思います。大学不要論は二つに分けて考えるべきです。それは社会にとって大学が必要かということと個人にとって大学が必要かということです。社会にとっては新しい知を発見して発表してくれる大学のような組織は絶対に必要です。しかし、個人レベルで見た場合には大学は必ずしも必要ありません。なぜなら前述の通り、大学は研究をする場所であり、研究に興味のない人にとって大学は行く必要がないところだからです。大学に行かなくでも教養は身につけられますし、他に価値ある仕事もできるからです。

 

つまり、「大学が不要だ」というのは「大学が不要な人にとって不要」なのです。今はそのような「大学を必要としていない人」が「大学に行き過ぎて」います。これが大きな問題であると私は思います。

 

 

 

大卒という幻想と大学の存続

 

本来大学が必要がない人がこれほど大学に行ってしまっている原因は大きく2つあると思います。1つは大卒という幻想で、もう一つが大学の存続です。今の大学生の親世代の人たちにとっては大卒(学歴)は就活など(恋愛とかも?)重要な要素でした。そして、そのような人たちを親に持つ子供達が大学全入時代かつ終身雇用の時代でもない現代で「大卒」をなんとなく選択してしまうのだと思います。もう一つは大学の存続のためです。これは少子化時代に大学が存続していくために本来大学に必要のないレベルや考え方(目標)を持った学生を入学せざるをえないということです。これら2点が大きな理由だと私は考えています。

 

 

 

大卒という幻想は捨てて、大学は本当に必要な数まで減らせばいい

 

「大卒」という幻想はここ数十年の間だけ有効な単なる仮説でしかありません。それに今、大学生をしてる本人たちが一番「大卒」の意味のなさ(大学を卒業したという事実だけでは、その人の能力について一切保証できない)を痛感していると思います。ですので、いずれ大卒という言葉は死語になる(すでになっている)でしょう。もし、それでも「大卒」が必要ならネット大学で証明書だけ貰えば十分です。

 

日本は大学の数をもっと減らすべきだと思います。そしてもっと研究費を少数の大学に集中すべきです。(大学の数を減らすことと予算を減らすのは別問題で、特にサイエンスの分野にはもっと研究費が必要だと考えます)そうすることで大学の目的が明らかになり、大学が必要とし、大学を必要とする人だけがより大きな予算の下で研究ができるようになるからです。その結果日本の大学のレベルが上がれば海外からも学びたいという学生も増えるし、いい循環ができると思います。

 

 

 

ほとんどの大学は大学であることをやめて「別の教育機関になればいい」

 

なぜ大学が減らせないかというと、すでにある大学の中で働く人たちの職がなくなるからです。しかし、大学の数を減らす場合、大学に行かない(大学が必要なかった人たち)の受け皿が必要です。この受け皿を新しく作ればいいと思います。もちろん高校卒業後に企業したり、働ける人はそれでいいのですが、数年の間、バイトしながらモラトリアムを過ごして、知的なことも学べる(あるいは企業する)ような場所があってもいいと思うからです。(そしてもしそこで大学に興味を持てば大学に行けるような)そういう場所を今の大学よりもっと安く作ることが重要だと思います。例えば、無料のWI-FIとパソコン、図書館が整備されていて、グランドやホールなどの施設があり自由にサークル活動が可能なようにするなどです。これなら既存の大学の設備をそのまま使ってすぐにできます。(これだと大学から教員と授業と研究(ゼミ)なくしただけみたいですけど、でもそれでほとんどの大学生には十分なのではないかと思います。同年代の人が集まって過ごせる場所があれば十分です) 

 

まとめると

  • 社会として大学は必要だか、個人レベルでは大学は必要ない人もいる
  • 本来大学が必要でない人が「大卒」の幻想と大学の存続のために無駄に大学に行き過ぎている
  • 大学の数は減らして予算を集中し、大学の研究レベルを高めるべき
  • 大学以外に20歳前後の若者が集まれる場所を作れば良い(大学の施設をそのまま使って)

 

 

最後までお読みいただいてありがとうございました